院長コラム

急患センターに行ったらよいの?待っててよいの?

こどもの発熱(病院のかかり方)一般小児科

各地に急患センターができ、夜間や休日にも小児科専門医に受診できるようになりました。私も今年の元旦に福岡市の急患センターで勤務してきました。大変な混雑で小児科医の待ち時間は一時間以上でした。

 重症の患者さんも多く、私のところだけでもインフルエンザ脳炎で意識がなくなった小学生、腸重積でショック状態の赤ちゃん、喘息で呼吸困難の幼児などが続き、さながらテレビの「ER]のようでした。ただ重症患者を優先するため、軽い症状で来院された方はどうしても後回しになってしまいます。急患センターは緊急性のある患者さんの受診を前提としているためです。

 急患センターを受診した子どもの大半は、医師による電話相談の態勢があれば受診せずにすむといわれています。主治医といっても電話相談が出来るのが理想です。私も努力はしていますが、無理な時もあります。

 では急患センターが受診するかどうかの判断はどうしたらよいのでしょうか?

 ただ熱が出たとか、吐いたとかであれば受診するのは少し早すぎます。ちょっと深呼吸して落ち着いて子どもの状態を観察してください。子どもがぐったりしている時、そしてお母さんがやはり心配だなと思われるときは受診してください。

 赤ちゃんの急な発熱の時は、ミルクがあるていど飲めるようなら翌日なで待ってよいでしょう。熱が高ければ手持ちの解熱剤を使ってください。ただ赤ちゃんが3ヵ月未満の時、またぐったりとして様子がおかしい時はすぐに受診しましょう。

 赤ちゃんの嘔吐で急を要する病気腸重積があります。吐いて泣き声も弱く、ぐったりしている時にはすぐに受診しましょう。超音波検でで簡単にわかります。早期であれば手術をせずに高圧浣腸で治せます。

元旦に出会った腸重積の赤ちゃんも手術をせずに助かりほっとしました。

※ 本コラムの掲載内容は当時の小児医療から記載しているものです。現状と異なる場合もございますので、ご了承ください。