院長コラム
 そのほかこどもの病気

その他のこどもによくある病気を紹介します。

便秘症

便秘とは便が出にくく回数が少ないことです。離乳食開始前の赤ちゃんは便が固くなることはありませんが、まだ排便が上手ではないため、上手にいきめずに便が出にくいことがあります。数日間便が出ず、出したそうにしているときは、綿棒で肛門を刺激してあげたり、座薬や浣腸を使用したりして、定期的に出してあげましょう。
離乳食開始後は便が固くなり出せなくなることがあります。その場合は便を柔らかくする薬を使用します。便の回数が極端に少ない場合は、腸に便が多く貯まるようになり、便意を感じにくくなってしまい、余計に便が貯まるようになっていきます。飲み薬で定期的に排便できるようになると、徐々に便意を感じやすくなり、薬を減らしても定期的に出るようになっていきます。

夜尿症

 小学校入学時のお子さんの10%以上が夜尿症と言われています。夜中の尿が多いことや、睡眠が深いため起きられないことが原因です。夕食後、寝る前の水分摂取を減らし、寝る前にきちんと尿を出すだけで多くは自然に治っていきますが、夜間の尿を減らすお薬や睡眠を浅くする薬を使うこともあります。

肥満症

小児期の肥満がおとなになってからの生活習慣病(高血圧、糖尿病など)につながることがわかってきました。身長にあった標準の体重の120%以上で肥満と判定されます。福岡市では小学校の健診で肥満と判定されると病院を受診するよう進められます。受診された場合、血圧、体脂肪、血液検査(血糖値、脂肪、コレステロール値)などの評価を行い、改善のための食事。運動の指導を行います。
定期的に通院し適切な管理を行えば、多くのお子さんは身長の伸びに伴い肥満が改善していきます。

起立性調節障害

起立性調節障害は思春期の体の変化に血圧の調節などの機能が追いつかずに立ちくらみ、朝起きられない、だるい、頭痛、腹痛などの症状を起こす自律神経の病気です。軽症の方も含めると中学生の10%がなると言われています。朝起きられず遅刻や欠席を繰り返し、保護者からは怠けていると思われ怒られている方もいます。怠けているわけではなく、気の持ちようだけでは治らないと理解することが大切です。
治療は水分や塩分を多めに取ることや日中なるべく起きて、適度な運動をし、寝る時間が遅くならないように生活習慣を改善することです。必要に応じ血圧を上げる薬を使うこともあります。なかなか治りにくい病気ですが、高校卒業頃には必ずよくなります。