ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが2か月から接種が必要な理由。
生まれてすぐの2か月からヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種が始まります。
この2つのワクチンは小児医療を変えた大切なワクチンです。
熱ですぐに治療が必要な病気が消えました!
熱が出るとすぐに病院を受診することが当たり前の日本ですが、熱ですぐに治療が必要な病気は既にありません。 発熱の多くは抗生剤が不要なウイルス性のカゼです。 抗生剤で治療が緊急に必要な熱は、血液の中に細菌が侵入した「菌血症」と、脳と脊髄を包む髄液の中に細菌が入った「細菌性髄膜炎」だけなのです。 これ以外の病気では抗生剤による治療が1~2日遅れても命にかかわることはありません。
「菌血症」と「細菌性髄膜炎」
10年ほど前までは5歳未満の子どもの発熱の500人に1人が「菌血症」でした。 「菌血症」は10%ほどが重症な「細菌性髄膜炎」になっていきます。 当時は「菌血症」は毎年全国で2~3万人ほど発症し、このうち2千人が「細菌性髄膜炎」になっていました。 抗生剤を内服しても「菌血症」から「細菌性髄膜炎」への進行を防ぐことはできません。 「細菌性髄膜炎」は死亡率が5~10%と高く、後遺症も25%にみられます。 しかし、熱がでたとき「菌血症」や「細菌性髄膜炎」と、自然に治る「カゼ」とを見分ける方法はないため、日本では熱のある子どもたちに大量の抗生剤が使われてきました。
「菌血症」と「髄膜炎」の原因は?
「菌血症」の80%は肺炎球菌が原因で、20%はヒブが原因です。 「細菌性髄膜炎」ではヒブが60%で、肺炎球菌が25%です。このように、肺炎球菌とヒブの2つの細菌が「菌血症」と「細菌性髄膜炎」の事実上の全ての原因菌でした。 このため、肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンが開始された後は、緊急に入院させ抗生剤治療が必要な病気がなくなってしまったのです。
ヒブと肺炎球菌のワクチンの定期接種化
欧米では「ヒブワクチン」が1980年代から、「肺炎球菌ワクチン」が2000年から開始されました。 しかし、日本ではやっと2011年から定期接種となりました。
2つのワクチンがあれば
この2つのワクチンを受けていれば、夜間や休日に熱が出ても急患センターを受診して抗生剤をもらう必要がなくなります。 緊急に抗生剤が必要な「菌血症」と「細菌性髄膜炎」が事実上なくなったからです。
2ヵ月からの予防接種
「ヒブワクチン」と「肺炎球菌ワクチン」はあなたのお子さんを24時間・年中無休で守ります。 また、細菌性髄膜炎は生まれてすぐからかかります。 これが2か月からこの2つのワクチンを打つ理由です。遅れないでください。