院長コラム

ヒブと肺炎球菌ワクチンの時代は 三種混合ワクチンは3ヵ月から

ワクチン(予防接種)

ヒブワクチンが始まりました。さらに来年から小児の肺炎球菌ワクチンも開始されます。このため予防接種の開始時期や順番が複雑になります.ワクチンのスケジュールはどうしたらよいのでしょうか?

0歳からのワクチン

ヒブ髄膜炎や肺炎球菌髄膜炎は6ヶ月から増えるため、この2つのワクチンは2~3ヵ月からの接種が勧められます。
 乳児の百日咳は重症なので、三種混合ワクチンは3ヶ月から接種しましょう。
 BCGは3ヶ月から5ヶ月の間で接種することになっています。福岡市では4ヶ月健診のときに保健所で受けます。

1歳からのワクチン

麻疹は死亡率も高いため、1歳になったらすぐに麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)を接種しましょう。この後で水痘(みずぽうそう)ワクチンとおたふくかぜ(ムンブス)ワクチンも受けましょう。
 三種混合ワクチンやヒブワクチンの追加接種はそれぞれの3回目の接種から6ヶ月以上あけます。小児の肺炎球菌ワクチンの追加接種は1歳から1歳3ヶ月の間となっています。
 ポリオは3ヶ月から7歳5ヶ月の間で2回接種します。福岡市では春季4~5月と秋季10~11月に保健所で受けます。ただ、日本では1981年を最後にポリオの発症はないため接種を急ぐ必要はありません。

ワクチン接種の原則

接種期間を守る
決められた接種時期や間隔を守る必要があります。
必要性の高い順に接種
身近な危険がある病気のワクチンを優先します。
ワクチンの同時接種
新しいワクチンが始まり接種回数が増えるため同時接種が必要になります。

お勧めのスケジュール

3ヶ月 三種混合ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの同時接種。
4ヶ月 三種混合ワクチンなどから1週間以上あけてBCG接種。
5~6ヶ月 BCG接種の後4週間以上あけて三種混合ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの同時接種を4週間隔で2回接種します。
1歳~1歳3ヶ月 お誕生日がきたらすぐに麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種。MRワクチン接種後4週間以上あけて、おたふくかぜワクチンと水痘ワクチンの同時接種。この後4週間以上あけ、三種混合ワクチンとヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの追加接種を同時に行います。

このようにすれば、1歳3ヶ月までに必要なワクチンが完了します。ポリオは決して急ぐ必要はありません。前述のワクチンが全て終了してから開始してもよいでしょう。このスケジュールは私の案です。

ヒブワクチンは品不足のため、肺炎球菌ワクチンは来年発売予定のため、推奨
したスケジュールは現状ではまだ無理です。しかし、三種混合ワクチンは3ヶ月から開始することはとても大切です。

※ 本コラムの掲載内容は当時の小児医療から記載しているものです。現状と異なる場合もございますので、ご了承ください。