院長コラム

新型コロナは子育て世代に気を使っています。

こどもの感染症

 新型コロナの流行は続いていますが、このウイルスはどうも子どもや妊婦さん、そして保護者に感染したり重症化させたりすることを避けているようです。
 子どもの感染は極端に少なく、20歳以下は全体の5%に過ぎません(図1)。さらに死亡は0人です(図2)。妊婦さんが重症になることもありません。子育て世代の死亡もほとんどありません。

 私を含めた高齢者の新型コロナによる死亡は多いのですが、子どもや、子育て世代の被害が少ない病気だったことは不幸中の幸いだったと思っています。

小林一茶の俳句

 「やせ蛙(がえる) まけるな一茶 これにあり」という一茶の俳句はご存じの方も多いと思います。この、一茶がある結婚式で詠んだ句があります。
 「親が死に 子が死に やがて 孫が死に」
 縁起でもない・・・と怒った人もいたそうですが、新郎の父は、人は親、子、孫と歳の順に亡くなることが一番の幸せだと詠んだ、4人の子を亡くしている一茶に感謝したそうです。

子どもの心の健康被害が問題です

子どものコロナの感染は稀で、インフルエンザのように学校や園で集団感染することはありません。また、子どもは、ほとんどが無症状です。
 このため、子どもではコロナの感染より、過剰な予防対策で子どもが不安になる心の健康被害が問題になっています。
 マスクについては、小児科学会は子どもでは効果が少なく、熱中症や窒息の可能性があり注意が必要なこと、特に2歳未満は使用しないよう勧告しています。

まとめ

子どもに熱や咳が出ても、家族に熱や咳がある大人がいなければ「新型コロナ」の心配はありません。普通のカゼとして対応してください。
 熱が48時間以上ないことを確認すれば、通園・通学に問題はありません。

※ 本コラムの掲載内容は当時の小児医療から記載しているものです。現状と異なる場合もございますので、ご了承ください。