肺炎球菌

肺炎球菌

定期接種のワクチン

小児用肺炎球菌
ワクチン接種について

肺炎球菌感染症について

  • 保育所や幼稚園、兄弟姉妹などから感染します。
  • 感染すれば保菌者となり、通常は副鼻腔炎や中耳炎などの粘膜感染の原因となります。
  • 鼻腔にいる菌が血液の中に入り、菌血症から髄膜炎などの重い病気を引き起こします。
  • 年齢が低いほど、重症化する危険性が高く、とくに6か月から3歳までは危険です。
  • まれですが年長になっても重い感染を起こすことがあります。
  • 肺炎球菌は抗菌薬が効きにくくなっており、治療が困難になってきています。

小児用肺炎球菌ワクチンについて

  • 肺炎球菌感染症のなかでも、とくに危険な深部感染を予防するワクチンです。
  • 肺炎球菌には93種の血清型がありますが、とくに危険な13種の血清型に対して有効です。
  • 13価のワクチンで、肺炎球菌による菌血症の約80%が予防できます。
  • 菌血症を防ぐことで、続いて起こる細菌性髄膜炎などの命にかかわる病気を防ぐことができます。
  • 肺炎球菌の保菌者になるのを防ぎ、乳幼児の周りにいる成人や高齢者の感染も防ぐことができます。
  • 世界の100か国以上で導入され、先進国では定期接種となり、すべての子どもに接種されています。

小児用肺炎球菌ワクチンの
接種方法について

  • 生後2か月になったらできるだけ早く接種を開始しましょう。
  • 標準の接種スケジュールは、初回免疫として生後2か月から6か月で接種を開始して、27日間以上の間隔で3回接種し、通常は1歳から1歳3か月で追加免疫を1回接種の計4回接種します。
  • 生後7か月から11か月で接種開始の場合は、初回免疫を27日間以上の間隔で2回、60日以上の間隔で1歳になってから追加免疫を1回の計3回接種します。
  • 1歳で接種開始の場合は60日間以上の間隔で計2回、2歳以上の場合では1回接種します。

小児用肺炎球菌ワクチン接種の
副反応について

  • 軽い副反応:注射部位の発赤や腫脹などがみられることがありますが、数日で自然軽快します。発熱は比較的多くみられ3人に1人で38℃~39℃の熱がみられますが,ほとんどは1日でさがります。発赤や腫脹が腕全体に広がる場合、高い熱が2日以上続く場合は医療機関を受診してください。
  • 重い副反応:非常にまれですが、アナフィラキシー反応やショックを起こすことがあります。その場合は接種医療機関で適切  な処置を行います。

予防接種による
健康被害救済について

  • ワクチン接種によって引き起こされた副反応により、重い健康被害が生じた場合には、対応する法律に基づく給付を受けることができます。
  • 給付申請が必要な場合は当院までご相談ください。

接種前の注意事項

以下の場合には予防接種を受けることができません

  • 明らかな発熱(37.5℃以上)がある場合。
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな場合。
  • 予防接種液の成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある場合。
  • その他、医師が不適当な状態と判断した場合。

接種後の注意事項

  • 接種後30分間はアナフィラキシーを起こす可能性があり、医師とすぐに連絡がとれるようにしてください。
  • 接種後に高熱やけいれんなどが起こった場合は、すみやかに医師の診察を受けてください。
  • 接種部位は清潔に保ちましょう。接種後1時間たてば入浴できますが、接種部位を強くこすらないようにしましょう。