ロタウイルス
定期接種のワクチン
ロタウイルスワクチン接種
について
ロタウイルス胃腸炎について
- ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児に多くみられるウイルス性の胃腸炎です。
- ロタウイルス胃腸炎の多くは突然の激しい嘔吐に続いて、白っぽい水のような下痢を起こします。発熱を伴うこともあり、回復には1週間ほどかかります。ほとんどの場合はとくに治療を行わなくても自然に回復しますが、ときには高度の脱水、腎不全、脳炎・脳症などを合併することもあります。症状が重く脱水が強い場合や、けいれんを伴うような場合には入院が必要になることがあります。
- ロタウイルス胃腸炎は、小児急性重症胃腸炎の原因の第1位で、受診した人の10人に1人が入院するという報告もあります。
- ロタウイルス胃腸炎の重症化は、ワクチン接種によって防ぐことができます。
ロタウイルスワクチンについて
- ロタウイルスワクチンにはロタリックス内用液(ジャパンワクチン)とロタテック内用液(MSD)の2種類のワクチンがあります。
- ロタウイルス胃腸炎を予防する効果に大きな差はありません。
ロタウイルスワクチンの
接種方法について
- どちらのワクチンも飲むタイプの生ワクチンです。
- ロタリックスは生後6~24週までの間に4週間以上の間隔をあけて2回接種します。
- ロタテックは生後6~32週までの間に4週間以上の間隔をあけて3回接種します。
- どちらのワクチンも初回の接種は生後14週6日までに行うことが推奨されています。
ロタウイルスワクチンの
副反応について
- 主な副反応は、ぐずり、下痢、咳・鼻水などです。
予防接種による
健康被害救済について
- ワクチン接種によって引き起こされた副反応により、重い健康被害が生じた場合には、対応する法律に基づく給付を受けることができます。
- 給付申請が必要な場合は当院までご相談ください。
接種前の注意事項
以下の場合には予防接種を受けることができません
- 明らかな発熱(37.5以上)がある場合。
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな場合。
- 予防接種液の成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある場合。
- 腸重積症の発症を高める可能性のある未治療の先天性消化管疾患(メッケル憩室など)がある場合。
- 腸重積になったことがある場合
- 重症複合型免疫不全(SCID)がある場合
- その他、医師が不適当な状態と判断した場合
接種後の注意事項
- 接種後30分はアレルギー症状が出る場合があり、医師とすぐに連絡がとれるようにしてください。
- 接種後に高熱、けいれんなどが起こった場合は、すみやかに医師の診察を受けてください。
- 腸重積とわれる症状(ぐったりする、泣きと不機嫌を繰り返す、顔色が悪い、繰り返し起きる嘔吐、いちごジャムのような血便、おなかのはりなど)がみられた場合は、すみやかに医師の診察を受けてください。
- ワクチン接種後1週間程度は便中にウイルスが排泄されますが、排泄されたウイルスによって胃腸炎を発症する可能性は低いことが確認されています。念のため、おむつ交換後などワクチン接種を受けたお子さまと接した際には手洗いをするなど注意してください。とくにご家族のなかに免疫異常の方がおられる場合には、ワクチン接種を受けたお子さまと接した後の手洗いの徹底に注意してください。